微かに、何かを引っ掻くような、
そんな音が聞こえた気がした。
幻聴とか、空耳だと思って思い流すことも出来たのだけれど、
とても暇だったこともあって、
私はその音の正体を探すことにした。
正直、心霊現象とか怪奇現象だったらと考えるだけで
それはそれは恐ろしかったが、
全然そんなことは無かった。
結論、音の原因は猫だったのだ。
外の小さな庭に繋がる大きい窓の外に、
猫はいた。
毛並みが綺麗な黒猫だった。
金色のお月様みたいな瞳で見つめてくる。
くりくりとした可愛い瞳に見つめられて、
一瞬で恋に落ちた私は、その猫ちゃん(くんかもしれない)を
家の中に入れた。
人懐っこいのか、すりすりと足元にやってくる。
猫に対する知識を持ってなかったので、
取り敢えず水をあげた。
可愛い。
可愛すぎる。
私と黒猫は、今日をもって、友達になった。
夜になり、ある時間にカーテンをめくると、窓の外には猫がいる。
そんな日常の一コマ。
10/11/2024, 11:54:30 AM