望月

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《あなたに届けたい》

「理解されないことが私にとっていちばん悲しいの」
 君は座り込んだ。
「言いたいことをわかってくれて、それでも合意してくれないことはとても虚しいの」
 君はそう言った。
「何もかも嫌になって、あぁ、きっとこの人は私を知ろうとしてくれているように見えて自分の中で解釈する為に素材を集めてるだけなんだなって思うから」
 君は泣いていた。
「私を知りたいんじゃなくて、あなたの中での私をしっかり形作りたいだけなんだなって分かるから」
 君は僕に笑った。
「……でも、きっと全部がそうって訳じゃないの」
 君は立ち上がる。
「そうじゃない人もいるから、諦めてはいけないと自分で自分を奮い立たせなきゃいけないの」
 君はそう続ける。
「だから、頑張ってとも言えないし、そうして生きてとも言えやしない」
 君は手を伸ばす。
「ただ……あなたの傍にいる、って人もいるから」
 僕は握り返した。
「それを忘れないで、ね」
 僕は泣いていた。
「……僕にとっては君がそうだったんだよ」
 僕は座り込んだ。
「君が居てくれたから頑張れる、君が居てくれたから前へ進むきっかけを貰える」
 僕は少し笑った。
「それを教えてくれたのも君じゃないか、なぁ、そうだろう……?」
 僕はそう呟いた。
「君には、もう届かない……弱音なんだよね」
 僕は座ったまま。


 ps

 随分とご無沙汰しておりましたm(_ _)m
 また色々投稿して行きます……!

1/30/2026, 6:09:15 PM