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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三十七話」

「城主だな?あの時の対決に決着を着ける時が来たな」
「あの時は、城が燃えて二人共焼け死んだからな」
城主と敵の大将は、刀を構えていました。
「おとう!がんばって!」
「あなた、頑張って!」
大広間の隅の方で、城主の家族は見守っていました。
「家族か…良いもんだな。俺の家族も戦に巻き込まれなかったら、今頃…」
敵の大将は、そう言うと龍を召喚しました。
「無用な戦いせずに済んだのによ!龍の反乱!」
敵の大将は、そう言うと召喚した龍を暴れさせました。
「キャアー!」
「こわいよー!」
龍の尻尾が城主の家族目掛けて当たろうとしました。
「コッチも使わせてもらう!虎の守り!」
城主は、とっさに虎を召喚しました。虎は、城主の家族の前に構えました。
「白虎よ、噛み付け!」
「青龍よ、暴れろ!」
戦況は、双方共に拮抗状態でした。
「おかあ、りゅうってなにがじゃくてんなの?」
「逆鱗って言って、鱗が若干違う所があるでしょ?そこが弱点よ」
「げきりんに、コレつきさしてみるね」
小さな女の子は、お母さんに鋼吹雪の大きな一欠片を見せました。
「危ないから止めた方が良いわよ!それにおとうの大事な戦いの最中だから…」
「でも、このままだったら、おとうがまけちゃうよ?」
二人が話していると、龍が襲いかかって来ました。
「危ない!」
「ちがううろこは…アレ!いまはゆうれいだからとべる!」
小さな女の子は、龍の逆鱗に鋼吹雪の欠片を突き刺しました。龍は苦しそうに暴れ始めました。
「トドメだ!首を噛み付け!」
虎は、龍の首元を噛みつきました。龍は敵の大将にのしかかった後、姿を消しました。
「クソっ、負けたか…」
敵の大将は、姿を消しました。

「おにーちゃん、おねーちゃん!わるいやつやっつけたよ!」
小さな女の子は、志那の側に現れました。
「良かったね!」
「おねーちゃんのおかげでやっつけることできたよ!」
小さな女の子はそう言うと、血まみれの鋼吹雪の欠片を見せました。
「おにーちゃん、おねーちゃん!ありがとう…」
城主一家は、そう言うと成仏しました。
「消えちゃった…」
志那は、消えた小さな女の子の方を見ました。
「?!城が動いてるぞ…」
カインドは、天井を見ました。そして、豪華な城は元の古びた塔に戻りました。
「うわっ、こんな所に居たんだな…」
ロードは、塔が崩れないか不安でした。
「犯人は居なかったし、出ようか」
志那達は、外に出ました。

「あの子、成仏出来て良かったね」
「結局、犯人は見つからなかったよな…」
ロードは、気がかりそうでした。
「おーい、みんなー!」
「スカーレットさん!それに、他の方まで…」
梨々華は、いきなりの展開に驚きました。
「皆、水臭いぞ。コッソリと抜け駆けして敵討ちするやなんてな」
「オーシャンさん、何で俺達がココに居ると知ってたんですか?」
「俺が説明したんや。スプライトに回帰光玉を一撃でぶつける程の相手やから、お前らだけやったら苦戦すると思ってな」
「マゼンタさん、それがですね…犯人は、まだ見つかって無いんですよ…」
カインドは、しょんぼりした顔をしました。
「安心し。犯人は俺が取っちめた!後はスカイに任せてある」
「取っちめた?!」
志那達は、目を丸くして驚きました。
「マゼンタ、手下達の所持品調べたけど…回帰光玉は持ってなかったよ…」
スカイは、マゼンタに報告しました。
「持ってないやと?!」
「念の為に設計図や材料も持ってるか調べたけど…」
「じゃあ、一体誰が犯人や…?」

10/5/2022, 10:26:15 AM