翼のない君は、いつも遠くの空を見ている。空を飛びたいのかと聞けば、首を横に振るから、僕は首を傾げた。それじゃあ君は、なにを見ているのだろう。問えば、曖昧に笑ってみせる君。それはまるで、翼のない君がどこかに行ってしまうような。そんな気がして、僕はその白い手を握ることしかできなかった。
8/17/2025, 7:34:16 AM