「おめでとうございます!貴方は1等賞地球人に生まれ変わる権利を得ました。ささ、こちらの次元ワープトンネルへとお進みください。」1等賞で、地球人生まれ変わりの権利か…昔はプレアデス星団やアンドロメダ銀河行きが当たったのに。ここのアトラクションの質は落ちてるな…なんて思わず苦笑いしてしまった。しかし、せっかくだ、一時の夢を体験しに地球人になるのも悪くはないかもしれない。僕は自分を納得させながら、テキパキと手続きをこなす係員に目配せした。「一つだけ確認があるのだけど…僕の魂の知り合いで地球に住んでるやつはいるのかい?」
「あ、今確認致しますね…!あなた様の魂にゆかりのある生命体は現在地球にはいません。」
「そうか…まぁまっさらな状態で楽しむのもたまにはいいか。過去世に対するしがらみが全くないのは逆にスリルがあって楽しめるかもしれない。」僕は目を細めた。
トンネルの入り口は真っ暗で、先が見えない。僕は鼻歌を歌いながら、一歩踏み出した。僕とこれから出会うであろうたくさんの「貴方」を思い浮かべながら、いつのまにか走っていた。
1/15/2025, 10:29:26 AM