普段はどちらかというと柔和で、甘いと言われる方だと思う。
ふわふわした金髪も相まって、整った美貌でニコリと微笑む姿は、万人を蕩けさせる甘い顔、と言っても過言ではないだろう。
でも、それだけじゃないことを私は知っている。
戦うべき相手をその目に捉えた時、彼の表情は一変する。研ぎ澄まされた刃のような、鋭い眼差し。
絶対に逃しはしないという苛烈な意志を感じさせるそれに、私はいつも内心で身震いする。
――あぁ、焔のように揺れるその眼光に、一片の欠片も残さず焼き尽くして欲しい。
END
「鋭い眼差し」
10/15/2024, 3:03:00 PM