ヨルガオ(短編小説)

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「体調大丈夫?あ、これ。クラスのみんなから」

先生の手にはクラスメイトからの一言が書かれた色紙が。

早く元気になってね。学校で遊ぼう。

「みんな、貴方が来るのを待ってるわ」

「ゆっくりでいいから。学校に来てみて欲しいの」

『……はあ……』

「それじゃあ、先生帰るから。頑張ってね」

『……さよなら』

ガチャンッ

『……何が頑張ってだ。こんな物、あるだけ無駄なのに』

早く元気になってね? 誰のせいで。

学校で遊ぼう? それが嫌だから家にいるんだ。

ゆっくりでいい? なんで学校に行く前提なんだよ。

来てみて欲しい? 僕の意志も尊重出来ないのか。

頑張って? 僕なりに頑張ったんだよ。

『…やっぱ、自分の気持ちは自分にしか伝わらない』


ーだから、一人でいたい。ー

7/31/2023, 11:04:18 AM