『太陽』
嫌気がさすほど眩しい光が自身の肌をジリジリと痛めつけていく。満遍なく塗ったはずの日焼け止めは汗で流れ、熱気に圧倒される毎日。早く夏を終わらせてくれと何度願っただろうか。
「アンタも暑いでしょ」
日傘を左に如雨露を右に。石となった彼に水を浴びせる。中身が全て空になったのを確認し、熱を帯びた石の上にタオルを敷き座り込む。
「今年は特に暑いよ、ってこれ去年も言ったっけ?」
同じような言葉を繰り返している気がする。
「雲の上は涼しい?自分だけ楽してホントずるい」
日傘で隠しきれない靴に熱がこもる。黒なのもあって火傷しそうなほど暑くなっていた。
「じゃあそろそろいくね」
日傘を地面に置き、彼に抱きつく。
太陽より暑い熱が体に少しの跡を残した。
8/6/2024, 2:41:11 PM