『手のひらの贈り物』
手を繋ごう。
君はあの時そう言って、僕の手を握った。それで、僕の手を引っ張りながら走って、太陽の光が眩しくて僕は目を瞑っちゃった。陽の光が暖かくて。特に、君に握られている手が。指先の血管から、温もりが身体中に巡り出して、呼吸をするたび、心臓が胸を叩くたび、僕は人間になっていく。浄化されていく。僕は、僕はここに居てもいいと、君の手から、君の温もりから肯定されてく。
この手を、離したくない。この手を離したら、また醜い泥になってしまうから。だから、君の手が欲しい。
12/20/2025, 4:10:56 AM