アイツの首のあたりから香った、花の香り。最初は、似合わないことするなと思っただけだった。けれど、数日、数週間、それが続いて、どうして香水を使うようになったのか、誰のためなのか、どうしても気になって。何をしていても、あの花の香りがよみがえる。そのたびに、焦りとも、苛立ちともつかない感情が心を支配する。アイツが自分以外のヤツに染まるのが嫌なんだと気づいたときには、もう遅かった。それは、初めて患うには、重すぎる恋だった。【花の香りと共に】
3/16/2025, 1:51:58 PM