色のついた透明

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大切なもの


嬉しかったはずなのに
幸せだったはずなのに

淋しさが腹の奥から
じわじわと浸透してくるのはどうしてなのだろう

頑張ったはずなのに
上手くやれたはずなのに

どこかでまだ自分を
許せずにいるのはなぜなのだろう


大切なものを守ろうとして
盾を持ち剣を構えるのが正しいことと
そう信じてきた

守るために攻撃するのだ
そうでなければ命を失うのだ

いつしかそれは己を囲む城壁となり
研ぎ澄まされた刃は鞘に収まることを知らぬまま

誰彼構わず傷付けた


私の中の大切を守れば守るほど
壊されていくのはなぜなのだろう

血だらけの大切など
抱いていても苦しいだけだ

それならば私は一体
いったい何を大切にしていたのだろう


たとえ形を変え姿を変え
色を変え匂いさえ変わったとしても

大切なものを大切にしたいのだ

間違いも偏りも
傷も流した血もすべて

淋しさや葛藤と共に
私の内に在る


むかし抱いた大切も
今抱きつつある大切も

すべて私のものだということ
それが生きていくということ

4/3/2026, 8:11:21 AM