きっと私はどうしようもない人間で、
周りに迷惑をかけることしか出来ない、
役にも立たないそんな奴だ。
ただ1人。
声をかけてくれた『あの子』にでさえ、
私は何も、自分の気持ちを、自分の心の声を
何も伝えられなかった。
手を伸ばせば届いたはずの温かさも、
助けて欲しいと声にすれば、吐き出せたはずの
このヘドロのような自身の醜くさも、
あの時ほんの少し勇気を出せば、
私のそれを受け止めてくれる。
そんな人が今隣にいてくれたかもしれないのに。
嗚呼、何故勇気を出せなかったのか。
ただ1歩。
いや、半歩、
前に脚を出せば
届いたかもしれないのに。
恥など一瞬で、後悔は一生付きまとうと
私は知っていたはずなのに。
嗚呼、『あの子』は今幸せなのだろうか。
笑顔で過ごせているだろうか。
なんでもない。と嘘をついた私の顔を覗き見る
心配そうな顔を
今でも別の誰かに向けているのだろうか。
どうか優しい『あの子』が
少しでも笑顔で暮らせていますように。
3/9/2025, 2:58:38 PM