今、見てくれている君へ

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─窓越しにみえのは─
 目の前にある家の白猫。天使の羽のように艷やかな純白の毛。その天使の毛が囲む、透き通ったオッドアイの目。右目には、エメラルド。左目には、アクアマリンが埋め込まれているかのような凛々しさと華やかさが詰まっていた。生まれてきたのが人間だったのならモデルになっていたであろうシルエットも持ち合わせていた。

  もはや、この世にいるのがもったいないほどだった。

 この世は、濁っている。もっと言えば、真っ黒だろう。
そんなこの世が、この天使の純白の毛を黒く染めていってしまいそうで、透き通った目を濁らせてしまいそうで少し怖い。まぁ、今の僕には、どうする事も出来ないけど。
 僕は、この天使に、北アルプスの大自然の中で、自由に暮らしてほしいと、ただただ無責任な思いを抱いてこの世を去って行った。

天国なんて、あるのかなぁ。
       来世が楽しみだ…

7/2/2023, 8:55:12 AM