僕には憧れの人がいた。
その人はすごくカッコよくて何より僕が大好きなバレーボールがすごく上手だった。
僕は10歳の時に友達の勧めで入った、その時にすごく優しくしてくれた人。同い年と知った時はすごく驚いた。
どうしても追いつきたくて、肩を並べたくて家でもどこでもボールを触った。周りに越されることと周りを抜かすことの繰り返しが僕に優越感と気持ち悪さを教えてくれた。
でもいくら頑張ってもなにを磨きどう対処しようともその子には届かなかった。
自分は褒められるがあいつは期待をされる。自分の欲しかったものを全て持っている。嫌いになりたいけど嫌いになれない自分が心底嫌いで考えているたびに息苦しくなる。
憧れは眩しくてこんなにも近くにいる存在なのにこんなにも遠いのだと幼いながら感じさせられた。
そんなんだから腕は上達するがチームには置いてかれた。
昔の自分に対しての褒め言葉が今の自分に突き刺さったまま高校になった。
自分は一切期待をされなかった事実と適当に並べられた単語、耳が腐るほど聞きなれた褒め言葉。
チームも実力も自分の心にはついてきているのに自分にはついてこなかった。
憧れてしまえば越すことはできない。
越すことができても魅力のあるものに憧れないことができない。
7/31/2025, 1:31:26 PM