川柳えむ

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 外では嫌な顔一つせず、いつも笑っている。
「能天気だ」と、「何も考えていないんじゃないか」と、「ストレスなんてなさそうで羨ましい」と。
 そう言われていることを知っているけれど。でも。
 そんはものは――みんなが見ているものは、噓だって。自分がよく知っている。


「死にたい」

 聞き慣れた言葉。
 目は既に死んでいるようで。
 自分にとってはこれがいつもの君で、みんなのあの評価の方がよくわからない。

「いいから。寝てなさい」

 ベッドでぐったりしている君の手を握った。
 相変わらずの死んだ目で自分を見てくる。

「私が死んだら泣いてくれる?」

「そりゃ泣くよ。だから、死なないで。とにかく、疲れてるなら寝なさい」

「一緒に寝てくれるなら」

 ――溜まってる仕事、したいんだけど……。
 などと言えるはずもなく。布団をめくり、君の隣に横になる。
 ――甘い。甘いなぁ。つい、甘やかしてしまう。
 でも、期待に添えないと、更に面倒なことになるのも目に見えてわかっている。
 君がぎゅっとしがみついてくる。

「死にたい」

 まだ言っている。
 これが日頃溜まったストレスの発散方法なんだろうが、だんだんとこちらも疲れてくる。
 それでも君が好きだから、それも全て受け入れる。

「もしも死ぬときは、一緒に」

 そっと額にキスをする。
 そうして、ようやく君は安心したように微笑んだ。

「おやすみなさい」


『君と一緒に』

1/7/2026, 2:30:06 AM