お題:相合傘
一つの傘の下、肩が当たるくらいの距離で歩くなんて、なんとも甘酸っぱい青春のド定番。
ベタベタではあるが、ちょっとした憧れたりするのは仕方ないことだと思う。
本日、朝のニュースで午後から雨がふるという天気予報を見て忘れずに持ってきた傘が帰るときにはなくなっていたことに途方に暮れた。
持ってきたのはビニール傘だったので、天気予報を見ていなかったどこぞの誰かに持っていかれたであろうことは想像に難くない。
走って変えることも考えたが、あまりに酷い雨なので自分が濡れるだけで済めばいいが、鞄の中のノートや教科書まで濡れると悲惨だ。
時間帯的に共働きの両親はまだ帰っていないだろうし、兄貴はバイトに出ている時間で迎えも頼めない。
なんて日だ、なんて、どこかのお笑い芸人のセリフが頭に浮かんだ。
そんな俺に傘に入るかと声をかけてきたのは同級生。
ありがたく傘に入らせてもらってのんびり歩く。
いわゆる相合傘だ。
雨が傘を叩く音以外音がしない。
湿った空気が頬を撫でる。
時々肩が当たる。
甘酸っぱい青春の1ページ。
………横にいるのがヤロウじゃなければ。
「何が楽しくてヤロウと相合傘しないといけないんだよ」
「あぁ?入れてやってるのに文句言うんじゃねぇよ」
いや、そうなんだけども。
ガタイがいいヤロウ2人で傘に入っているものだからどうやっても傘の下には入りきれず、はみ出した肩がずぶ濡れ。
全身濡れるよりは断然マシだが。
まぁ、これもまた青春の1ページだろう。
6/19/2023, 11:54:23 AM