「はぁ、今日も疲れた...」
社会人になって4年目。朝の5時、プラットホームから電車に乗り、商談やらなんやらで残業。誰もいない電車で帰る。
いわゆる、俺の職場は"ブラック"だ。
今日も書類に誤記があって上司に罵声を浴びせられた。
まぁ仕方がないだろう。
後輩がした失態は先輩が庇わなければならない、そんな理不尽で矛盾している社会のマナーだ。
真っ暗な道をヨボヨボと歩く。どうやら、乱れた自分のネクタイを直す気力もない程、疲弊しているようだ。
家の近くのコンビニに寄り、ビールとサンドウィッチを買って帰る。
社会人になって初の就職場所が入社して1年で倒産。
そこからこの会社の社員になって信じられない程、生活、体調、メンタルが一気に崩れた。
そして、俺の中の大切なものも壊れた。
愛して、いたよ、愛していたんだ。
「グスッ...本当に私、の事、愛してる、の、?泣」
深夜、残業を終え、帰宅すると、リビングで泣いている彼女。そして、開口一番、そう告げられた。
しんみりした空気をただただ立ちすくむしか出来なかった俺は、本当に惨めだと思った。
おそらく、深夜に帰ってくる俺が彼女を蔑ろにしていると思ったのだろう。
なんで伝わらないのかなぁ、、
ちゃんと愛してたのに、毎日、毎日、こんな夜遅くまで働いてるのに、これでも愛せていないというのだろうか。
そこから別れを切り出され、俺は大切なものを失った。
胸の奥のいちばん深いところがギュッと傷んで、何かが張り付くような感覚。
泣いて、
泣いて、
涙が枯れるくらい泣いた。
そんなとき、
「大丈夫、大丈夫。言いたいこと全部、僕にぶつけてごらん?」
俺をずっと励まし続けてくれたのが君だった。
そのおかげで俺は少しずつ立ち直って行くことが出来た。
あの時は気づかなかったけれど、この時には、芽生えてたんだ。
彼を自分のものにしたい、
独占欲
ガチャッ
「ん、お疲れ様。」
俺「あ、ただ、いま」
あの時、支えてくれた彼が家に帰ると笑顔でおかえりと、出迎えてくれて、ギュッと暖かい抱擁をくれた。
これが俺の心の充電器。
すき、だよ。
好き、大切にするよ、。
彼女にできなかった愛の続きを、
君に全部、ぜーんぶあげるよ、愛してる。
あぁ、暖かい。
愛おしい。
やっと"俺のもの"になったんだね、。
あぁ、やっと気づいた。
これが俺の"大切なもの"なんだ。
4/2/2024, 3:06:18 PM