ーどこ?ー
幼い頃、ずっと夢見ていた。
その夢のためにひとつの目印を立てていた。
その目印に向かって、精一杯走った。
走っていたはずだった。
ふと、後ろを振り返った。
着いてきていたはずの仲間はいなかった。
後ろにいた皆は、遅い私に呆れてもう置いて行ってしまったから。
自分の足に枷があることに気づいた。
足枷をどうにか外そうとした。
外そうとした。
外そうとした。
でもできなかった。
外れなかった。
また失敗した。
それを繰り返した。
幾度となく繰り返した。
一人の仲間が私を見かねてやってきた。
「そんなことも出来ないのか」
と言われた気がした。
勝手に卑屈になって自暴自棄になった。
目印は見えなくなった。
夢なんてとうに消えうせた。
仲間はそもそもいなかった。
私は孤独のままだった。
ならば私のいる場所は
私がいられる場所は…
ーどこ?ー
3/19/2025, 2:19:14 PM