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ふと、ガラクタの山で見つけた麦わら帽子。
子供の頃によく愛用した麦わら帽子は、忘れられた時間分の劣化と、当時の日の光による色焼けが酷かった。
そういやあ最近は麦わら帽子を被るような子供を、昔程見なくなったな、と思う。
しかし、それも無理も無かろう。昨今の酷暑と熱中症だ。メディアも日中の運動や不要な行動は避け、涼しい時間帯の行動を推奨している。屋外よりも屋内の遊びを勧める親も多いのかもしれない。
勝手な偏見だが、麦わら帽子を被る子よりも、日傘を差す子の方が、昨今多いのではないかとすら思う。
「ふーむ……うん!」
難しいことを考えるのはやめだ。
夏休み。子供は子供の遊びをするなら、大人は大人の遊びをしよう。
そうだな、折角懐かしの麦わら帽子を見つけたのだ。
麦わら帽子。英語でストロー。麦……麦の酒、ビールだ!!
麦わら帽子は、やっぱり暑い日差しの中で使わらるのが、お約束。
そして、たまには真っ昼間の炎天下の中で、冷たいビールを飲むのも乙かもしれない。
酒飲みの適当な大義名分をつけて、ボロい麦わら帽子を被りながら、男は厳しい日差しと温度の中で、冷たい缶ビールを開け始めた。




8/12/2024, 1:44:08 AM