毛布を被った囁き合いは
シーツの熱にだけ残して
建付の悪い木枠窓を
ファンシーに膝蹴り
「夜の終わりだ このやろう」
露台の君は 身を乗り出して
他人行儀の 雲に不満げ
空の何処にも光がないのに
限りなく宵を薄めて照る灰
君をようやく彩って
先ほどまでのあの瞳
その横顔は同じはず
樋を伝う朝露の名残りは
悪戯に結託して君を叩く
「まだ つめたいね」
君は 驚くほどに驚かない
頬を拭い 後ろ髪を結う
湿気た霞 君の白い輪郭
―――――――
(風に乗って)
*いつもありがとうございます。難しいお題が続きますね。今後少し更新タイミングが遅くなるかもしれません。どうか気長にお待ちいただきたく。
4/29/2024, 12:21:26 PM