花束 2/10 (土).
「…これ、あげる」
そう言って私に手渡してくれた花束。少しぎこちないので、恐らく手作り。
スノードロップの花が、ふわふわ揺れる。
可愛らしい花だ。
「ありがとう、家に飾るね」
彼女は、静かに目をつぶり、はあ、とため息を付く。
それから、私の手を包みこんだ。冷たくて細い指が絡みつく。
そして、橋際の川に二人で落ちた。
「は、」
落下していく体と意識に困惑しながら、私は花言葉を思い出した。
【私は貴方の死を望みます】.
彼女は私の頬にキスを落とした
2/10/2024, 4:11:58 AM