文月。

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「星が溢れる」
溢れるような、満天の星。
この都会では、見ることのできない絶景。
写真やテレビでしか見たことのないそれを、私は誰と眺めたいのだろうか。
答えなど決まっている。
一番大切なあの人と。
隣に座って、共に星をいつまでも眺めていたい。
電話をしながら、各々の場所で同じ夜空を眺めるのも趣があっていい。
いつか、そんな日が来るだろうか。
私もあの人も、まだ高校生。
門限はどちらも早い。
「思い立っては吉日」とはいかないだろう。
それでも。
もし、あの人と溢れるくらい空いっぱいに広がった星空を見られたなら。
きっと、泣いてしまうくらい幸せなのだろう。
いつか、その日が来たならば。
胸の内で、未来の自分に願掛けをする。
「彼と一緒に、星が溢れるくらいいっぱいな空を、共に眺められますように。」

3/15/2024, 10:10:15 AM