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夜空には無数の悲しい神話が閉じ込められている。
太陽が昇ると、隠れるようにひっそり消えていってしまうのも物悲しい。

星は願いを叶えるというのに、星になったものたちの涙や想いや苦しみは、いったい何処にいってしまったんだろう。

それがわからないのが切なくて、
幼い頃、夜空で燃えつき星になった、ヨダカの光を探した。

マッチ売りの少女は星になったのだと思っていたから、彼女の面影も探した。

星がながれれば、今、この世界のどこかで
誰かが死んだのだと思った。

ヨダカの星も、マッチ売りの少女も、広い夜空のどこで瞬いているのか結局わからなかったけれど、

美しいものが何かを忘れかけるような日々の終りに
ふっと顔をあげた先の星空をみて
私はいつも、懐かしい歌を思い出す。


「夜空を旅する星たちを 小さな指で数えてごらん
あなたが生まれた日に 星がまたひとつふえた」




7/6/2023, 9:25:48 AM