芽吹きの時
「ほら笑顔で撮りましょ」
カシャ
明るいシャッター音が響く。今日は高校の入学式。
僕はこの高校に行きたくなかったわけではなかったが、勉強も覚えやすくていいと何度も聞かされ、結局この高校試験を受けた。
だが今となってはこの学校はめっちゃ嫌だ。
なぜこの高校が嫌だったかって?
その理由はただ一つ、この高校にはかつてのいじめっこがいるからだ。
僕を弱そうだからと言っていじめて来たあいつら。
名前なんていいたくもないが、田中だった気がする。
そんないじめっこが同じ高校だと分かったのはゲーム友達の悠に入試試験会場にいじめっこを見かけたと言っていたからだ。
もう顔も見たくないのに。
まさか同じ高校だったなんて。
ああ、もう。
クラス表を見て教室に入る。
あ、悠もいる、よかった同じクラスだ。
「悠、おはよ」
「高須!同じクラス!?まじかよーうれしい!」
悠は多分モテるだろうなぁ、イケメンだし。
そんな事も思いつつ、入学式は終わったのであった。
田中、いなかった?
もしかして悠の見たのは見間違い?
そうだったら、いいのにー、、。
「お前さ、どっかで会った事ない?」
終わったぁー…、田中ですよねー田中ですね〜
こうして僕の高校生活はー、
どん底に落とされた…
と、思ってます?
違いました。
田中じゃありませんでした。
めっちゃ似てる人でした。
相手も僕と似てる人と間違ってただけでした。
あっはは〜こんな事あるのか…?
でも、間違えて田中だと思った人はゲームが趣味で得意で、意気投合した。
そうして一年、二年、三年と僕と間違え田中と悠でめっちゃゲームと勉強した。
僕の人生の中で、まじでこんな事ないと思っていた。
だけど、芽吹きの時、
その芽を摘まないで、優しくお世話していたら、いつか大きな花になって行くんだと思う。
今日は卒業式。
「お前ら最高だぜぇ⤴︎」
「笑笑笑笑やめろ腹筋なくなる笑」
大きな花になるまで、一緒にいつまでもいような!
3/1/2025, 11:01:40 AM