♬デデンデンデデン──転送成功。
現在地及び現在到着時点、確認。
目標到着時点の……うん、誤差範囲内。
よーし、転送シークエンス終了、っと。
あ、いっけね、目撃者の確認! っと、問題なし。
まぁでもボクみたいな茶トラの子猫が一匹、路地裏に突如現れたくらいで、大騒ぎにはならないよねっ。
そう。どこにでもいる普通の子猫に見えるボクは、実は──遠い未来から過去であるこの時代にやって来た、ネコ型ロボット。
個体識別コードMA-M1、通称……マミ!
この首輪が小型化された『タイムマシーン』になっていて、これで体ごと転送されてきたんだ。
ちっちゃいカラダのほうが転送しやすいし、それに現地にも溶け込みやすいから、こんな子猫の姿になってるってわけ!
ボクの任務は時空を超えて、未来のある現象の原因について調査報告すること、端的に時空探偵って言ってもいいかもしれない。
えー、猫の姿でー? って思うよね?
ふふん。"見た目は子猫、頭脳は大人"……ってのはボクらを開発した会社の、調査機関への売り込み文句なんだけど、だからね、大丈夫なんだー。
それに、頭脳だけじゃなくて……っと、その前に。
先に、現地での生活拠点を、どうにかしなくっちゃだね!
あっ、ねぇねぇそこのおねーさん!
ボクと契約して、ボクの飼い主になってよ!
ちゃんと家賃払うから!
……って、言いたいとこだけど。
しゃべる猫が! なんて目立っちゃダメだからね。
にゃーん、にゃーん。
ひたすら可愛く鳴いて、鳴いて。
はい、中年夫婦に拾われましたー!
さっすがボク、小一時間で生活拠点ゲット!
二世帯住宅の大きなおうち、でも一階で夫婦の娘さんがクレープ屋さんやってるから、そっちには行かないでね、だって。
よしよし、拠点はOK!
次は、ちょっと人目につかないとこへ行って。
首輪型タイムマシーンには、もう一つの機能があって……これをステッキ型に、チェーンジ!
からの〜、メタモル機能・音声コード、入力!
「パンプルピンプル、パムポップン!」
毎回思うけど、なんだろうなーこの音声コード?
まぁ、それはさておき……ジャジャン!
子猫チャンがなんと、可愛い女の子に大変身!
設定は17歳前後、服は夫婦の娘さんのをこっそり拝借しちゃって。
この姿で、任務ための調査開始だー!
……え?
スカウトって、ボクを?
ボクの名前? えっとね、マミだよ?
って……えええ、本当に?!
……と、いうわけで。
ボクはアイドルになっちゃって、でも芸能界入りは何気に調査に都合がよかったし、お金も稼げちゃうしで、結果オーライ?
けど注意しなくちゃなのは、一日二回の充電。
充電はネコ型じゃないといけないからね。
だから拘束時間もちゃんと、短めにしてもらったし……うん、なんとかなるはず。
あーでも、こんなに目立っちゃうと、帰還したとき、めちゃくちゃ怒られそう……まーいっか。
よーし!
猫とアイドルと時空探偵の、三足のワラジ生活、これから頑張るにゃん!
1/23/2026, 3:34:08 AM