君を探して、何年経ったのだろうか
君があの書き置きをのこして、どこかへ消えてしまってから、僕は君をずっと探している
会社も辞め、家も売り払い、全財産を持ち、世界を旅するようになった
しかしどこへ行っても、君を見たと言う人や、君を知っている人は、1人も見つからない
もうお金もなくなり、どこかも知らない場所を歩いている
腹も減り、喉も渇いた
目の前が朦朧としてくる
気づくと、地面が目の前にあった
重たい頭を持ち上げて、前を見てみると、さっきまでの荒れた地面とは変わって、青々しく草が茂り、紅い花がところどころで咲いている、綺麗な場所だった
奥には白いワンピースを着た、髪の長い女性がいる
その人が振り向いた時、君のいなかった、今までの、何もない、重苦しい日々から解放された気がした
女性に微笑み、ゆっくりと立ち上がって、ゆっくりと歩いて近づき、優しく、抱きしめた
あぁ、こんなところにいたのか、探していたんだよ
君が、笑っていた気がした
3/15/2025, 6:56:42 AM