水滴のしたたる眼鏡を外してしまった
雨の伝う窓を眺めて悲しくなるみたいに
眼鏡が汚れるのは嫌いだ
乱れた髪の分け目を雨水で整えた
湯上がりの自分が美しく見えるみたいに
少し自惚れた
冷たくなる耳を刺すピアスも取った
錆びてしまえばきっと
あの人との思い出まで茶色く錆び付くような気がした
頬を撫でる水は空からの真水で、
信号がぼやけるのは近視だからで、
どうしようもなく胸が苦しいのは、
家に傘を忘れてきたからなんだ。
赤らむ目を見せまいと、
ただ歩を進める靴だけを見る
寒い寒い嵐でも、私は自分を守れるはずよ
帰ったら一番にお風呂に入らなきゃ
#嵐が来ようとも
7/30/2024, 2:38:45 AM