灰燼

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「最悪だ」
しくじった。数々の後悔と過去の記憶が頭をよぎる。

もっと綿密な計画を立てればよかった。

あのとき見逃さなければよかった。

あのとき、こいつに戦い方なんて教えなければ。いや、そもそも出会わなければ。

最後の最後に邪魔されるなんて。

 あぁ、でも。こいつと朝方まで馬鹿騒ぎしながら語り合  
 っていた時間は、いつもより呼吸が楽だった。こんなに  
 楽ならはじめから話しかけていればよかった、なんて。

一時の友人の辛そうな顔が目に入る。
今回も失敗だな。いや、大失敗か。今度はお互い最悪な結末にならないといいな。

6/6/2024, 12:40:36 PM