「やる氣なさすぎてムリ」
鯖子はそううなだれながら
紙を食い破り遊ぶ猫を見ていた。
窓の外がまぶしい。
やたら晴れていて目に刺さる。
あの紙は、たしか何年か前のカレンダー。
使わず仕舞いで猫にあげたんだったな。
側に寄ってみたら
ボロボロの年号が見えた。
令和4年、平成34年、昭和97年。
西暦はない。何年だっけ。
紙くずになったカレンダーの上に
ゴロンと寝転がる猫をなでる。
「⋯まぁ、なにひとつ思うようにはいかないけど
曲がりなりにもここまで生きてきたんだな 私」
さて、と鯖子は立ち上がる。
「もう少ししたら
猫のごはんでも買いに行こうかな」
外のまぶしさが少し柔らかくなった氣がした。
「この場所で」 2026.2.12
2/12/2026, 3:29:53 AM