「なー、これっていつ取っていいの?」
目隠しをされて私に廊下を歩かされる日向。
教室ではきっと部活のメンバーが準備万端で主役が来るのを待ち構えているだろう。
「もう少し!」
放課後の静かな廊下を一緒に歩きながら
あらためて日向のことを思い返す。
部活で沢山活躍してる姿を見て来た。
影山と喧嘩して見てるこっちがびっくりしたこともあった。
小さいと言われているのに誰よりも高く飛ぶその姿はとってもかっこいいし、こちらが落ち込んでいる時も持ち前の明るさで励ましてくれる。
きっと日向に救われてるのは私だけじゃないし、きっと皆日向のことが大好きだと思う。
「ねぇ、日向」
「ん?」
「いつもありがとう」
「な、なんだよ急に。別に俺特別なことしてねぇけど」
「いーの!…これからもずっと日向は日向のままでいてね」
「なんかよく分かんねーけど、分かった!」
目的の教室のドアの前に立つ
皆に硝子越しに合図を送る。
「よし、日向!目隠し取るよー!」
ねぇ,日向あなたがいたからきっと今の私がいるよ
“せーの!”
“誕生日おめでとう‼︎”
-あなたがいたから-
6/21/2024, 7:21:49 AM