リオ

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 暑い夏。蝉の大合唱をBGMに俺は黒板に大きく書かれた『自習』という2文字を睨みつける。何が嬉しくて夏休みに学校に来なければいけないんだ。
 事の発端は俺の期末テストの結果だ。テスト期間ギリギリまで部活とゲームを大いに満喫した俺は見事に赤点の山を築き上げた。そんな結果だからもちろん教師に目をつけられる訳で。特に成績で態度を変える数学教師から
「いいかー、今回の期末テストで赤点が3教科以上ある生徒は夏休み最初の2週間学校に来て自習だ。宿題でも問題集でも持ってこい」
 授業の始業ベルが鳴り終わった瞬間こんなことを言うもんだからクラスはブーイングの嵐。そんな生徒の態度を嘲笑うかのように数学教師はクラスをぐるりと見渡すと
「ハッ、そんな減らず口叩く暇があるなら勉強しなかった自分を呪うんだな。生徒会長なんて全教科90点代だぞ?このクラスには3教科どころか5教科以上赤点のやつがいるぐらいだから勉強なんざ無理か?」
 明らかに俺のことである。良い年した大人がガキを弄んで楽しいかよ、と半分呆れるがこの結果を招いたのは自分であるのに違いない。数学教師は他のクラスにも同じ話をしたようで授業が始まるごとにどこかのクラスからは悲鳴とブーイングが廊下に漏れていた。

7/22/2024, 10:14:30 PM