深夜、家族が寝静まってから私は動いた。
自室のドアを音が出ないようにゆっくりと半分だけ開けて、スルリと抜け出す。
真っ暗な廊下を抜き足差し足、何処からともなくトテトテと近寄ってきた飼い猫に「しー」と人差し指を立てながらキッチンへ。
途中、トイレに起きてきた父親を壁に貼りつき気配を消してやり過ごして、父親が用を足しているスキに両親の寝室を横切った。
キッチンに到着、しかし、まだ電気はつけない。
父親が寝室に戻るまでは暗闇の中、息を殺して待機する。
成長期だからしょうがないのだ、どうしても小腹が空いてしまうのだ。
○清のカップヌードルを貪りたいお年頃、それと時間帯なのだ。
さあ、さっさと寝に行ってくれ父よ。
はやく食べ「うわぁっ、ビックリしたな、もう、電気くらいつけなよ?」
くそっ、今夜は失敗だ!
テーマ「今日にさよなら」
2/19/2024, 6:03:01 AM