彩る

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『真昼の夢』

かつて退屈だった時間の幸せに気付くというのは大人になった証なのだろうか。


大好きなおともだちとおやつを食べた。
大好きな先生が、絵本を読み聞かせてくれた。
そしたら今日も“お昼寝の時間”が始まる。
ほんとうは早くお外で遊びたいんだけどね。
いちばん仲良しなあの子のとなりにお布団敷いて、
先生がとんとんってしてくれて。
そうしてるうちにだんだん眠たくなってきた。


あの時、幼い私がどんな夢を見ていたのか、なにひとつ思い出すことはできない。
しかし、疲れたときにふと「戻りたい」と願ってしまう。
それほど穏やかで優しい夢を見ていたのだろう。

7/16/2025, 11:01:20 AM