仲間。
そんなものはいない。親でも、兄弟でも、友達でも、後輩でも、先輩でも、恋人でもない。それは数ある困難を共に乗り越えた乗組員のような、ただ堕落した生活を送る放浪者のような、何とも言えない絆で繋がってしまった者たち。好きとか嫌いとかそんなものは床の下に埋めて、四方を火山ほど高い壁で覆った内に集まってしまう。
目的は様々だろう。仕事だったり、学校だったり、サークルだったり。残業だったり、補習だったり、集団自殺だったり。何でもいい。とりあえず、何かの意識が一つだけ合致すれば、私は君たちと仲間になれる。そのはずなのに。
自分は仲間を欲するのだろうか。今はもう全て揃っているのに。親も友も恋人も。
仲間とは、こんなにも焦がれてしまうモノ。
12/10/2022, 2:52:52 PM