小絲さなこ

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「恋しいのは、ひとり」



それは、始めはただの疲労の蓄積かもしれなかった。

終わりのない忙しさは、私から判断力と気力、それからほんの少しの情を奪っていく。

ただ、会いたかった時期もあったはずなのに。
何もしなくても、会話がなくても、隣に居るだけでそれでよかった。


あなたに非があるわけではない。
だから、あなたのその純粋さで息ができなくなっていく気がする。


子供の頃から休日は家でゴロゴロしていた。
ひとりっ子だし、友達もいなかったから、暇つぶしは、気まぐれに読書をする程度。
それは大人になってからも変わらなかった。

それを崩したのは、あなたと付き合い始めてから。

あぁ元々の性質が違っていたからなのか。


しばらく会えないという文字を入力する。

躊躇わず送信した私は、近いうちにあなたと出会う前の生活に戻るのだろう。





────だから、一人でいたい。

8/1/2024, 6:31:28 AM