怖がり
シリーズ小説。過去作手直し中タグ控。お題「怖がり」=嫉妬
何日か病院にいると、感覚がゆるくなってくる。
不安は残っている。それでも入院した直後の焦りはなく、裏庭のベンチから見上げる空は、青く広がっていた。
「…そう呼んでくれた子も、いた気がします」
北星(きたせ)さんから聞けたことはそれだけだった。看護師として、他の患者の話は出来ないらしい。分かったのは知り合いだということだけだった。枯葉(かれは)のことを知れないもどかしさに、そういえば名前も知らないことに、この時はじめて気がついた。
「話、聞いてる?」
「…聞いてる」
持ったスマートフォンからの声に、返事をする。今日は気温も良く、このまま寝てしまいそうになる。
――ふと、風の音が聞こえた。あたりは静かだった。
電池が切れたのか。画面を見ると動画モードのまま、古木の二股に分かれた幹が映っていた。片方の幹に背中をあずけ、座るような形の枯葉の表情は下を向いていて分からなかった。
「…枯葉?」
珍しく静かな妖精に声をかける、返事は無い。
沈黙が続いた。
「…ずるいよ」
「ん?」
聞こえた小さな声に安堵し、言葉を聞き直す。
「…くろちゃんばっかり…別のところで楽しそうにして」
聞き慣れない声音に、違和感があった。
「どうし…」
「どうせ僕はここから動けないからっ」
張った声に、言葉が詰まる。理由がわからなかった。
「…ごめん」
探して、出てきた言葉がそれだった。
「――っ」
向けられた顔は今にも泣きそうで、そのまま幹の中にすっと消えてしまった。
見えなくてもそこにいる。声は届く。
それでも、かける言葉はみつからなかった。
(後書き)
文体は整ってるかとか、手直しのアドバイスとか例文出してくれたり。基礎勉中なのですごく助かってるんです^^;
ただ軽量化求めてくるので…
「メガネアゲルユビナンテドレデモイイダロ、ケズルゾ」
ソレハダメTT
ミンナチガッテ、ミンナイイッ
3/17/2026, 9:57:55 AM