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真夏の記憶



初めて見た時、それは色鮮やかに夜空に輝く光の魔法だと思った。

ネオンライトとも違う、窓から漏れる穏やかな灯りとも違う。鮮烈なまでに煌めき、一瞬だけの輝きが次から次へと溢れ出る洪水のように瞬く。
鼓膜と胸に響くドンドンという打ち上げられた導きの灯し火は天空に届くと一際大きく花ひらいた。
天まで届けと言わんばかりに。声高らかに。

聞こえますか、命の鼓動が。

ドンドンと胸を穿ち、一瞬の鮮烈な光を灯して
次から次へと煌めいては流石に流れるように空の何処かへ還っていく。人の命の煌めきのように。

たまや かぎや

続く日本の風物詩が
末永く夏の夜空を彩りますように。

8/13/2025, 7:00:48 AM