無色の世界
色のない世界で
風だけがそっと、
まだ名もない朝を撫でていく。
白でも黒でもなく、
ただ “在る” というだけの景色は、
心の奥の静けさに
よく似ていた。
誰も気づかないまま
落ちていく影の気配、
触れれば消えてしまう
淡い輪郭。
それでも、
無色の世界は空虚ではなく、
言葉になる前の想いが
静かに息をしている場所だった。
色を持たない光が
そっと胸に触れたとき、
ようやく気づく。
——本当の色は、
世界ではなく、
自分の中に宿っていたのだと。
眞白あげは
4/19/2026, 6:04:42 AM