はた織

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 お前はなぜ寂しいと叫ぶのか。

 3畳ほどの小さな喫茶店のこれまた小さな真ん中で
 白と茶だけで彩られた白壁と木材のテーブルに向かって
 はにかみ屋の店主の優しき手からつくられた華やかなパフェの前で
 桃の薔薇が咲き誇り、クリームとチーズとゼリーが愛し合って重なり合うデザートを口にしても
 熟れた果実の甘き酔いしれ、濃厚な牛乳の芳醇さ、店主の手のひらから溢れた血潮を味わっても
 まだら模様のクリームに輝くパフェグラスをガラス破片から熱して膨らませた職人の顔も見ずに
 向かい席にいる友人がいながら、私たち2人で一緒に来て良かったわねと世界中に聞こえるように叫んで
 数多の生命に溢れる小さき喫茶店で、よくもまあ孤独を感じ取ったものだ。
 たましい光る象牙の塔を内臓に詰めても、お前のこころは寂しさで埋め尽くされている。
                 (241219 寂しさ)

12/19/2024, 1:01:13 PM