陽羽 昇瑠

Open App

『別れ際に』

そろそろ訪れる朝に引き継ぐため、
夜は、帰る準備をする。

うすらうすらと足音も立てず、
己の明るさで「もうすぐつくよ」を合図する朝。

夜は季節の移ろいの中で、
来る時間が早まったり、
帰る時間が早まったりするのを楽しみつつ、
拡げていた闇を懐にしまう。

振り返り、優しい光の月に微笑み、
夜は帰る。

また、明日。

9/28/2024, 12:14:48 PM