とある恋人たちの日常。

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 時々、知り合いから子供を預かるんだけれど、子供の世話がとても楽しくて、「預かれる?」と聞かれると、余程じゃない限りは預からせてもらうことにしている。
 
 もう一つの理由は、まあ、お互い先を見据えているからというのもあるんだけれどね。
 
 何度かお世話させてもらっている赤ちゃんを預かった。少しずつ俺たちのことも慣れてきたみたいで、今まで以上に笑顔が多かった。
 
 だからこそさ、お別れが寂しいんだよね。
 
 両親がお出迎えしてくれて、満面の笑みでバイバイしてくれる。
 彼女も笑顔で手を振っているけれど、俺は分かるよ。君をずっと見ているから。
 
 楽しそうな笑顔を向けているけれど、その背中はとても寂しそうだった。
 
 俺は彼女の手を取ると、彼女が驚いてこっちを見てくれる。俺はゆっくりと瞬きをひつとすると、彼女の気持ちを理解しているのが伝わったようで、くしゃりと表情を歪ませて俺に抱きついた。
 
 いつか。
 いつか、俺たちの天使を迎えようね。
 
 
 
おわり
 
 
 
一七二、哀愁を誘う

11/4/2024, 12:17:19 PM