「風鈴の音」
「チリンチリーン、チリンチリーン」
風に揺られた風鈴の爽やかな音が聞こえてくる。
隣の家には年配のおじいさんが1人で暮らしていた。
おじいさんは毎年夏頃になると風鈴を軒先に出す。僕にとってあの風鈴の音はいつの間にか夏の風物詩のひとつになっていた。
今年の夏、ついに風鈴の音は聞こえなかった。
おじいさんは夏前に天国へ旅立ってしまったのだ。
風鈴の音が聞こえないと無性に寂しく感じる。
僕は雑貨屋に行って風鈴を買った。
「チリンチリーン、チリンチリーン」
おじいさんがいた頃とかわらない風鈴の音色に今日も癒される。
7/12/2025, 11:10:41 AM