君は今
小説のシリーズの続き。過去作手直し中なのでタグは控えます。お題はねじ込んでます。
「これ新しいのと換えとくから、タオルこんなにいらなかったわね」
明日から大部屋に移るため、朝から姉が病室に顔を出していた。実際は目当ての男性看護師へ会いに、用も無いのに毎日来るのだが。
「相変わらず素敵なお姉さんですね」
血圧を測りながら担当の看護師が、仲の良い姉弟でも見るようににこやかな顔をしていた。この男は自分が現況だと本当に気づいていないのだろうか。
「数値も安定していますし、雪虎(ゆきとら)くんは相変わらず回復が早いのでこちらも助かります」
「脳の筋肉だけが取り柄ですから」
(脳に筋肉なんてねぇよ)
室内の賑やかさとは対照的に、窓の外は今日も曇っていた。あれから雨は降らなかったが枯葉に「やっと起きた」と言われ、居た堪れない気持ちになり今朝も余り目を合わせることができなかった。
(あいつ、いまなにやってんだろ)
枝先の枯葉が乾いてきたのか小さく揺れるたびに、まだそこに居るのだと安心した気持ちになる。
「…ちょっと売店行ってくる」
姉の付き添いを断りテーブルのスマホを患者衣のポケットに入れると、松葉杖で支えた体を前へと進めた。
(後書き。)
1週間くらいの入院のはずがまだ3日も経たない^^;
2/26/2026, 3:13:07 PM