猫又 朗音

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 ──好きです。
 何回目の好きかはもうわからない。数えるのは両手で数えるくらいになってから辞めた。
 私が好きだと言うたび、あなたは眉を下げて口角を少し上げる。少し湿っぽい、そんなあなたの笑い方が好きだった。

 はじめての「好き」を言ったときは胸が高鳴って、脇のあたりが熱くなって、とてもじゃないけど平静を装うことなんてできかった。
 ──ごめんなさい。
 その言葉を初めて聞いたとき、「もう恋なんてしない」って神と自分の心に誓った。その誓いは次の日には破り捨てていたけど。
 それ以降、私はあなたに「好き」と言い続けた。あなたは「ごめんなさい」と愚直に向き合ってくれた。
 非日常はいつしか日常になって、奇妙な縁になって私たちを結んだ。
 けど、いつの日か考えるようになった。
「ごめんなさい」と断るあなたを、今も私は「好き」なんだよね。
 じゃあ、あなたが私を受け入れてくれたとき、私はそのあなたを「好き」と言えるのかな。

4/15/2026, 1:49:04 PM