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あなたがそんな、熱をはらんだ目で見つめてくるから、私の体温はまた、0.1℃、上がったようで。
続く微熱のように、じんわりと熱がこもったまま、逃がしきれない。
この熱は上がりきってしまえばどうなるか、予測もできない、ただわかっているのは、身を滅ぼす、ということだけ。

なのに、この微熱のもどかしさに、身体が、疼く。
どうにかしたい、どうにかしなきゃ、
どうにか、
どうにか、して、ほしい、

我に返ったときにはもう遅い。
同じ熱をはらんだ目に、あなたが気づかないはずもなく。
弧を描いたその唇から、熱を共有するまであと、1秒ー

11/26/2024, 4:43:53 PM