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「春の月夜」


仕事を終えて、外に出た

「そろそろこの場所ともお別れか」

そう思いながら仕事場を離れた。空を見上げるとやけにハッキリとした月があった
すこし寒かったからか、空気が澄んでいたのか。まだ冬らしさを残す月のシルエットにどこか安堵した

電車に揺られ、携帯を見つめる。表示される日付と時間をまた見つめる
惜別、新しい生活への不安・希望、ごちゃまぜになる15分。ふと顔を上げると車窓から街灯に照らされた葉混じりの河津桜が見えて、変に脳裏に焼き付いてしまった

駅から降りると、月はさっきより濁っているように見えた。場所が変わってあったかくなったのか、空気が濁ったのか、目の痒みのせいなのか、私の気持ちのせいなのか

分からない、分からない

「朧月夜」に近づいた空にため息をつき、家路を急ぐ。そんな夜


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毎年春になると童謡の「朧月夜」をめちゃくちゃ聴きたくなります。聴くと癒されます。

3/7/2023, 1:56:11 PM