夜空の音

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沈む夕日

いつもと変わらない教室。
いつもと変わらない1日。
いつもと変わらない友人達が隣にいる。

いつもと変わらない、何気ない話に花を咲かせながら私たちは楽器を片付け、帰る用意をしていた。
「今日は少し遅くなっちゃったね。」
そう、友人の1人が言う。
「ほんまに。でも、この時間もいいね。」
私は窓の外を見て返す。

程よく雲があり、暖かな日差しが空を茜色に染める。

あ、飛行機!
私たちは同時に声を上げた。
綺麗な景色の一部を切り取り、スマホに収める。
「なんか楽器も写真映えしそうじゃない?」
そう言い出した友人は、楽器を取り出して、1番日が差している机へ置いた。
カシャと心地よいシャッター音が聞こえる。
それに続いて、皆スマホと楽器を手に各々写真を撮り出す。
パシャ。
何気なく、私も写真に収めた。
お互いに写真を見せ合い、笑みをこぼす。
気づけば夕日も沈んでおり、教室は暗くなっていた。

何気なく撮った写真は、大切な写真になった。
翌月、学校が閉鎖され、私たちは楽器に触れることなく高校を卒業することになった。
それが、6年前の出来事だった。

4/7/2026, 10:29:33 AM