依音

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 衣替えの季節がやって来た。まだ半袖の彼女が寒そうにしているのを見つけて、自分の羽織をかける。
「弥太郎!…これは弥太郎が羽織って。私は平気だから」
 そう強がる彼女の唇は青白くなっている。
「何言ってんの。俺は男だからいいの」
 俺の話し方から自分が折れるしかないと思ったのだろう。彼女は羽織を受け取った。
「そう?じゃあ借りるね。ありがとう」
 二人は手を繋ぎ、笑顔で家に帰る。

10/22/2023, 10:15:06 AM