彗皨

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今日は家族皆で行くお祭りの日。
お祭りは沢山の人が歩き回っていて少し窮屈だ。
慣れない下駄を履き、少し埃が被っている着物を着る。

「ほらほら、早く行かなきゃ」
「ご、ごめんなっ… きゃぁっ!!」

「?早くしなさい」
「ま…まっ…て、、」
「もう先いくからねー。」
「お姉、、、ちゃっ…」

大勢の人が流れるように私の横を通る。
流れる人皆私を一瞬目にしては不思議そうな顔をしているような気がする。

「靴擦れ…うっ、痛い…」
自分の擦れた足を触っては全身に痛みが走る。

『わー!綺麗!!』
『太鼓も鳴ってるー!』

「えっ…」
少し外に耳をやると
太鼓の音
花火の音
街ゆく人の音
色んな音が聴こえた。

「、、っ…!!痛い、」
まだ歩けもしない足を少し自分に近づける。
「…綺麗……」
太鼓の音、花火の音 そしてただ 痛みだけが私の胸を圧迫する。

7/28/2023, 4:24:14 PM