ね。眠るにはまだ早いからさ、
少し話を聞いてくれはしないだろうか
とは言え、結局君には届かず終いだろうけれど
あのね、君と居れたこと会えたこと、
心の底の底から喜ばしく思っていたんだよ
ずっとずっと笑っていられた、
無理に押し込めないでいられたんだよいつだって
だからね、そんな君に
ありがとうってさよならしてみたかったんだ
ありがとう、中途半端にいてくれて
ありがとう、落とした鍵を見るだけに留めていてくれて
ありがとう、この悪意を信じてくれて
ありがとう、「隠された真実」を疑わないでいてくれて
君がそのままであってくれたから、こうして夜明けを迎えれたんだよ
小さな輪っかに紐通す
期待に添えなくてごめんね
知ってたんだ、縄の結び方
ね。頼みがあるんだ
聞き入れてはくれないだろうか、後生だから
願わくば、別れの言葉を告げないで欲しい
こっちもそうするからさ、金輪際何一つを落としたりはしないから
そうしたらばきっと君に、深く深く遺せる気がした
汗ばむようにこびり付くみたいな
淡くて苦い絶望を
ごめんね、こんな最低な幕引きで
でもこれが、望めた最高だったんだ
一緒に、なんて、高望みは出来ないから
代わりに
その瑕を、君の未来まで連れてってよ
7/14/2025, 9:42:19 AM